海と劇場、ときどき本棚

2018年の7月に爆誕した何をするのかを模索しつづける会社「ひとにまかせて」代表のブログです

途中で帰ったワケ

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生まれて初めて公演の途中で劇場を出ました。

 

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「仕立て屋のサーカス」というライブパフォーマンス。

以前から少し気になっていたもののタイミングが合わなくて。

今回、初めて見に行けたので楽しみにしていました。

 

お芝居でもダンスにでもパフォーマンスでも、最後まで見ないと面白いかどうかはわからないので、これまで途中で退出したことはありません。

(本番が思ってたよりものすごく長かったので泣く泣く出たことはあり)

 

理由?

あんまり面白くはなかったけど、面白いところも少しあって。

構成が雑でアイデアとパフォーマンスをバラバラに見せられてるみたいな感じもあったけど。

でもそういうことじゃなくて。

 

最近はほとんどないですが、初日の開演時間が押しちゃうってのは若い頃は関わったお仕事でもよくありました。

たいていは仕込み時間に対してやりたいことが過剰すぎて、設営が間に合わなくてどんどんと予定が伸びていって。

リハーサル終わって10分後に客入れとか、まあ割とありました。

仕込みメンバーだったので、ゲネプロ終わって直しをしてあとは本番メンバーに任せて劇場を出たら、劇場前に一時間以上待たされているお客さんが200人くらいいてものすごい目で睨まれたこともありました。

「ぼくのせいじゃないんです。ぼくはこの3日間、精一杯がんばったんです」と心のなかでつぶやきながら足早にその場を立ち去りました。

いい経験でした。

 

なので、まああんまり人のことは言えませんが

 

開演時間一時間前に(おそらく)予定通り開場してるってことは、そこまで準備にてこずってたってわけじゃないのでは?
開場も一時間あれば、裏での準備だってそれなりにできるよね。
なのに、なんの説明もないまま開演が
15分以上押すのってどうなんだろうなあ

 

しかも始まって30分くらいパフォーマンスがあって、そこから15分くらいは演奏しながら、内容や今回の企画についての言い訳めいた説明とか物販の説明とか販売している飲食の説明とか。

そして「15分間の休憩です」かあ。

3分くらい考えて、これ以上ここにいるのは不愉快だから出てきちゃった。

 

内容についても本公演ではなくてトライアル公演だということは理解してたけど、なんだかなあって感じ。

トライアルだとしても、告知文に書いてるような要素はあんまりなかった。

ああ、タイトル通り「落ちてくる空」だった。

そこはアイデアとしては面白かった。

でもだとしたら余計に後半は期待できなかっただろうな。

あれが用意していた一番大きいものだとしたら。

 

新作のためのトライアルなのにwebサイトとかで見た写真と同じようなシーンしかなくて、想像を少しも裏切ってくれなかった。

海外のフェスとかには呼ばれやすい作品だなあとは思います。

ビジュアルは面白いし、言葉ではなくて「音と布」を作品の軸においているので。

フェスのプログラムのひとつとしては魅力的かも。

ただ、単独の作品としてみると、一度目はそこそこ楽しめるけど、なんども見に行くレベルのカンパニーじゃないかもって。

 

製作途中のものや制作過程を公開することは意味があるとは思うけど、そういうワクワクもまったく感じなかったし。

いや、後半そういう作る過程を共有できる構成になってたのかもしれないけど、もういいやって感じになりました。

事前の告知とか、当日の受付からの流れとかもかなりレベルが低くて。

それていてチケット3,000円かあ。

そうですか。

 

ステージパフォーマンスは生物で、公演期間も短くて、内容についても事前に詳しく知ることができない。

チケット発売開始したタイミングでは内容がちゃんと決まってないことだってよくあるし。

だから信頼できない団体さんのチケットってあんまり買う気にならないんだよね。

うん、申し訳ないけどこのカンパニーはもう二度といかないかな。

 

なんだかなあ。

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【てがみ書店ができるまで 3】中身を見ずに本を買った

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下北沢のワンブロックから棚が借りられる本屋のアンテナショップで棚を借りたものの、やりたいことは本を売ることじゃないのではと思ってしまってところから、今回の話は始まります。

 

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棚を借りることにしてそこでなにをしようか、考えるうちにたどり着いたのは「国立本店」や「なタ書」「6次元」といった、これまでに見てきた本のあるスペースでした。

ぼくがステキだなと感じたのは必ずしも本が売られる場所というわけではなく、本がキッカケでコミュニケーションが生まれる場だったのです。

もちろん本を売ってもいいのですが、数十の本棚が並ぶ中で単純に自分の選書だけでそこで存在感を出せるだけの自信もありませんでした。

なので、ここで考えたのは、

「棚ひとつ分の小さなスペースから本をキッカケにしたコミュニケーションが生まれるオリジナリティーのある仕組み」を作ることでした。

 

考えるなかで思い出したのが、BOOKSHOP TRAVELLER に棚を出していた「TBOOKS」さん。

下北沢にリアル店舗も出している本とタロットと雑貨のお店。

こちらではタロットカードのリーディングもやっているのですが、そのリーディングの結果から本をリコメンドする「タロット選書」というのも行っているそうです。

BOOKSHOP TRAVELLERではその簡略版(?)で、タロットカードの大アルカナ柄のブックカバーを掛けた本を販売していました。

面白いのはブックカバーのせいで中身が見えないこと。
手にとって中を開けば見えますが、棚に並んでいる限りはタイトルも表紙も見ることはできません。

カバーのカードのイメージから選書されてるそうですが、ヒントはそれだけ。

ここまで来たら、もう中身を見ずに買ったほうがいいんじゃないかと思わせる潔さ。

ぼくも自分が好きな「fool」のブックカバーがついた本を買ったのですが、うちに帰るまで中身は見ませんでした。

レコードやCDをジャケ買いする感覚と似てるのかもしれません。

 

「中を見ずに買う」という行動はとても新鮮。

普段は本を買うときに内容とか著者とか気にして買うのが当たり前なのに、ちょっとした仕組みで内容を知らずに本を買うことに意味や価値を生み出してる。

そこがとてもおもしろく感じたのです。

 

もうひとつ思ったのは本を選ぶ基準。
誰でも好きな作家やジャンルの本を手に取るのが当たり前。
この頃は口コミやリコメンドサービスも充実していて、自分が好きな本にたどり着くことは昔と比べてずいぶんと簡単になった。

でもそれって幸せなこと?

 

演劇の世界で仕事をしていて変わったなと思うのは、お客さんの行動パターン。

広く浅くいろいろな作品を見る人が一昔前までは主流だったのが、いまは特定のジャンル、劇団、俳優さんにフォーカスして見るケースが増えた。

アイドルみたいに「推し」や「担当」がいることも普通に。

お客さんが変わるのに合わせて売り方も変わる。

ひとりの強烈なファンになるべくたくさんお金を使ってもらう、客単価をあげる戦略がごく当たり前になった。

生写真みたいな役者個人にフォーカスしたグッズ。ツーショット撮影券や握手券。

何度も公演に足を運んでもらうために、日替わりゲストを呼んだり、連日トークショーを開催したり、アドリブのシーンを入れて毎ステージ違う演技を見せたり。
ホストクラブ的なシステムを取り入れた、公演期間中の役者それぞれのグッズの売上を競い合うようなところも出てきた。

もちろん、お客さんに喜んでもらうためにいろいろと工夫することは悪いことじゃないし、お客さんの満足度も高いのだから誰が文句を言う筋合いでもない。

でもさ。

たくさんの情報があって、自分にあったコンテンツにたどり着くことが簡単になって、そのコンテンツの周りで充分に楽しく遊べる。

それはそれですごいことだけど。

でも、本の、書店の楽しみ方ってそれだけではないはず。

棚を隅から隅まで眺めて、タイトルや背表紙の色からなんとなく惹かれたものとの偶然の出会い。

ネットにはないリアル書店の面白さってそこにあるんじゃないかな。

だからジャケ買いみたいに中身を見ずに本を買うことができる。

「知らない本」と出会える書店。
なんとなくだけどそういう方向でもう少し考えてみよう。

(つづく)

 

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【てがみ書店ができるまで 2】そもそもやりたいことは本屋なの?

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つい勢いで本棚ワンブロックを借ります!って言っちゃったのが前回ですが、

今回は言っちゃったけどどうしようっていうお話です。

 

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本は好きですし、本屋巡りも好きでした。

けれど、前回のブログにも書きましたが「モノを売る」ことには興味も経験もなく。
どんな棚をつくればいいのか、どんなものを売ればいいのかの具体的なイメージはありませんでした。

そもそも、新刊書店なの古本屋なの?

仕入れのノウハウあるの?

そもそもやりたいことは本屋なの?

 

他の本棚オーナーさんはと見ると、選書に意思を感じられたり、売り方に工夫が感じられたり。
「本屋」に夢を持っているひとたちと、勢いで始めちゃおうっていう自分がなんか同じレベルで勝負するのが申し訳なく感じられてしまいます。

 

一応、海・船関係と舞台関係に詳しいという強みはあるものの、どちらもあまりにもニッチな業界

BOOKSHOP TRAVELLER店主の和氣さんからは、

「ニッチなジャンルの本のほうが意外と売れたりするんですよ」

 とは言われたものの、さすがにニッチ過ぎて関連書籍も少ないし、絶版になっているものも多くて。

そして出版部数も少ないので中古業界にもあまり出回っていない。

 

数年前に「国立本店」という国立にある本をベースにしたコミュニティースペースの「ほんの団地」に船関係の蔵書を置かせてもらったことがあったのだけど(こちらは販売ではなく展示)、ぼくが忙しくてあまりうまく活かせなかったということがあり、周りから興味を持ってもらえる気がしなかったことも、自分が選書した本を置くことに消極的だった理由。

 

とはいえ、借りちゃったのでなんとかしないとなあとぼんやり考えていて思い出したのが、荻窪にある「6次元」さんと香川県高松市にある「なタ書」さん。
どちらもちょっと見にはそこにお店があることすらわからないような場所なのに、中は本で埋め尽くされた空間。

6次元さんは「本がたくさんあるイベントスペース」

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ぼくもイベントに参加するために訪れて驚きました。
店主のナカムラクニオさんに話を伺いましたが、本はあくまで自分の趣味で集めているだけで売り物ではない。
以前は書店やブックカフェとしても運営していたけれど、いまではイベントの企画を行っているとのこと。

なタ書さんは「完全予約制の古本屋」というユニークな営業形態。

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店主の藤井さんは独特の雰囲気を持つひとで、このお店の魅力は予約制という運営の仕方ではなく藤井さんのキャラクターにあるんです。

なかなか簡単には伝えられないので、ネットで見かけた記事を貼っときます。

dailyportalz.jp

 

どちらもいわゆる「本屋」の形とは違うところで成り立っているお店。

「なタ書」は確かに古本屋さんではあるのだけど、同時に地域で文化的な活動をするひとのハブ的な要素もある。
6次元では本を売ってすらいない。

ただ「本がたくさんある空間」を作りそこから価値を生み出している。
自分がやりたいことは「本屋」という営業形態ではなくて、本があることで生まれる「なにか」を作り出すことなんじゃないか?

だんだんとぼくの考えはそういう方向に傾いていったのです。

(続く)

 

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【てがみ書店ができるまで 1】 ぼくも借ります!

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てがみ書店というサービスをリリースします。

書店という名前ですが扱う商品は書籍ではなく、好きな本への愛情を綴った「てがみ」というなんだかよくわからないお店。

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サービスの内容だけだとよく分からいひとも多いのではと思い、てがみ書店をスタートするまでに起こったことや考えたことについて書いてみようと思いました。

 

てがみ書店が生まれたのは、下北沢に「BOOKSHOP TRAVELLER」という場所があったからです。

BOOKSHOP TRAVELLERは「本屋のアンテナショップ」というコンセプト。

カフェの奥に細長いスペースあって、本棚をワンブロックから本屋をやりたい人に貸し出すというちょっと面白いスペースです。

 

ぼくは舞台関係の仕事をしていて、どちらかというと「後に残らないもの」をクリエイトすることに喜びを感じていまうタイプ
時間と空間を共有したひとしか味わうことのできない「ライブ」の感覚が大好き。

なので「モノを売る」ことには興味がなかったし、実際にアルバイトも含めて物販はやったことがありません。

またフリーランスで仕事をしていて、数日から数ヶ月の単位で、いつも違う劇場、違う団体を渡り歩いて働くことが好きで、ひとところに腰をすえてじっくりと暮らすのも、どちらかというと苦手なのです。

 

20代の頃からそんな暮らしを30年ほど続けてきたのですが、どこか心境の変化があったのかもしれません。
去年一年間、国立の「つくし文具店」を拠点にデザインについて考える「ちいさなデザイン教室」に参加しました。
月に一度、つくし文具店のお店番をすることと引き換えに、デザインや文具、プロダクトや地域などについて考えるコミュニティーに参加できるというプロジェクトでした。
そんな感じで少し興味の対象が変わってきたタイミングで「BOOKSHOP TRAVELLER」と出会いました。

 

BOOKSHOP TRAVELLER店主の和氣さんとは5年位まえから知り合いでした。

最初にお会いしたときは「本屋が好き」とは言うものの本や書店とは関係のない一般企業にお勤めだったのですが、気がついたら退職→本好きコミュニティーの運営→著書出版(東京わざわざ行きたい街の本屋さん)とあっという間に「本屋好き」を仕事にしていき感心していました。

そんな和氣さんのフェィスブックに去年の秋くらいからやたらと「下北沢で本棚作ってます」という記事がアップされるようになり、なにやってるんだろうなあと思っていたら、BOOKSHOP TRAVELLERという面白いスペースがオープンしたのです。

 

どんな場所なのか気になったのでオープンからしばらくして実際に足を運んでみました。

下北沢西口から歩いてすぐ。

狭い路地の奥にあるカフェスペースのさらに裏にあるわかりにくくてたどり着きにくい場所。

そこがBOOKSHOP TRAVELLERでした。

 

細長いスペースの両側は一面の本棚で、本棚には本がビッシリ。

棚の一区画がそれぞれひとつの本屋さんになっています。

実店舗を持っている書店や地方の書店のアンテナショップ。

webを中心にやっているお店の小さなリアルスペース。

そして他の仕事をしながらいつか本屋をやりたいと夢見る人の夢の入り口。

本に囲まれた隠れ家のようなその場所にぼくはひと目で心奪われて、その場で

「ぼくも借ります!」と宣言してしまったのです。

まるで恋に落ちるみたいに。

 

 

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てがみ書店オープニングイベント

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このたび、下北沢にある、本屋のアンテナショップBOOKSHOP TRAVELLER さんで「てがみ書店」というプロジェクトをスタートします。

 

書店という名前ですが本は扱いません。
販売するのは「本について書かれたてがみ」です。
やりたいことは「本」をテーマにした新しいコミュニケーションをつくることです。

 

オープニングを記念して6/22(土)にイベントを開催します。
ゲストにBOOKSHOP TRAVELLER店主で街の個性的な書店を紹介した「東京 わざわざ行きたい街の本屋さん」の著書でもある和氣正幸をお呼びします。

 

イベントでは参加者のみなさんにそれぞれ自分のおすすめの本をご紹介いただき、その本への愛を語る「てがみ」をお書きいただきます。
書いていただいた「てがみ」は店頭で販売させていただき、誰かの手元に届きます。

 

なかなかコンセプトをうまく伝えきれていない感じがするのですが、なんとなくピンときたかたはぜひご参加ください。
立ち上げたばかりで、また似たようなものが少ない新しいプロジェクトなので、内容のブラッシュアップやPR戦略などを考えるためにも、質問や気になる点があれば、いろいろとご指摘いただけると助かります。

 

よろしくお願いします。

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新しい景色

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下北沢といえば演劇の街で。

いちおう、演劇業界の端くれで生きている人なので下北沢にはかなりの頻度で足を運ぶ。

もう30年くらいになる。

 

数年前から小田急線の下北沢駅が地下に潜る工事が始まり、駅からの景色が少しずつ変わっていった。

駅前劇場という小さな劇場は以前は南口改札を出た眼の前にあったのだけど、南口改札がなくなり駅前っぽさがなくなった。

改札からホームまですぐだったので、遅くまで飲んでてもギリギリで終電に滑り込むことができたのだけど、改札から地下のホームまで遠くなってしまったのであんまりギリギリだと間に合わなくなってしまった。

地上からは線路がなくなり、線路を越えるための踏切も当然のようになくなり、新しい道が通り、広場ができて。

不便だからというよりも、見慣れた景色が変わることになんとなく抵抗を感じたりもしていて。

半年くらい前から新しいことを始めようと準備してきた。

似たようなことをしているひとも見当たらないサービスを作る。

準備してきたというよりも、前に進んでは戻り、ためらい、周りのひとを巻き込んではほったらかし、足踏みし、みたいなことを繰り返すうちに、ものごとは大して進んでいないのに時間だけが過ぎていった。

自分のなかではぼんやりとイメージがあって、きっとそれは面白いことなんだけど、その面白さをどんなひとに刺さるのか、どう伝えれば届くのか、そんなことを考えるうちに不安になって。

そんなことを繰り返していた。

精神衛生にもよくない日々。

 

まだ準備が整ったわけでもないし、自分のなかで府落ちしてもないんだけど、引っ張り続けてもこれ以上なにも出でこないようなので前に進むことにした。

不安だらけだけど前に進み始めるともうやるしかないって開き直れる。

失敗したところでそれほどダメージがあるわけではないし。

自分が思っていたような未来が開ければすばらしいし、予想していなかった展開になるともっと面白い。

動き始めたことでなにが生まれるのか。

少し楽しみになってきた。

 

下北沢駅の工事もあらかた終わったみたいだ。

改札からの風景は30年通っていた見慣れた街とはまるで違っている。

でも、この街にこんな景色が隠されていたのかってちょっと驚かされたりも。

新しい景色はいつだって明るい。

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演劇とドローン

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先日、水中ドローンの説明会に参加していろいろと調べているうちに普通のドローンにも興味が出てきました。

水中ドローンは業界ないでもまだまだという感じなんですが、ドローンはそれなりにジャンルとして成立しつつある感じです。
都内でも何校かドローンのスクールみたいなのがありました。

で、たまたま目についたスクールの説明会に行ってみたんですが……ENBUゼミと運営会社が同じでした。

ENBUゼミナールは俳優や映画監督養成のスクールです。
知り合いの劇作家や演出家で講師をやっているひとも何人かいて、過去にはスクールの卒業発表にスタッフとして関わったこともあります。

なんでやねん、と思っていたら説明会のなかで簡単に言及がありました。
ドローンが出始めたて、映像系で使うことが増えて、映画監督コースなどでドローンを使った空撮を授業で扱うようになり、それをキッカケにドローンスクールを初めたとのこと。

なるほど。そういうつながりがあるんですね。

思ってもみないところでいろいろつながる。

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猥雑で薄汚れた、だからこそキラキラした世界

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仕事柄、世の中では有名な俳優さんや演出家、作家さんに会うことがよくあります。

そんな話をすると羨ましがられることも多いのですが、ぼくにはそういう感覚があまりよく分かりません。

もう少し言うと「ファン」という存在そのものがあまりわからないのです。

 

大好きな作品があっても、それを作った人に会えて嬉しいという感覚があんまりないんですよね。自分の中で。

小説や演劇作品、俳優としての役作りに魅力を感じているのだから、それと関係のないところでつながることにとくに興味を感じないのです。

例えば「サインをもらう」という感覚が本当に理解できなくて。 

あれは、なにがうれしいんでしょうか?

 

そんなぼくなのですが、ほとんど唯一の例外は物語作家の栗本薫さんです。

もうすぐ彼女がお亡くなりになって10年。

「世界でいちばん不幸で、いちばん幸福な少女」は元SFマガジン編集長で仕事のパートナーであり、そして夫でもあった今岡清さんによる、彼女との想い出を綴った一冊です。

 

ふたつのペンネームを使い分けて様々なジャンルで活動し、約30年間の活動期間に400冊ほどの作品を発表した多作の流行作家。

中学2年生で彼女の「グイン・サーガ」という本を手に取っしまったことが、その後のぼくの生き方に大きな影響をもたらしました。

 

とはいえ、どうしてそこまで心惹かれたのか、正直よくわからなかったりもしてたんですが、この本を読んでなんとなく思い当たるところがありました。

強さと繊細さの二面性。

 

ミュージカルの演出などもなさっていたので、その縁で少しだけ仕事でのお付き合いがあったのですが、そのときも同じような印象を受けていました。

エネルギッシュでいつも前に向かって進み続ける一方で、そこはかとなく漂う危うさ。

多分、彼女の作品のあちこちにそのアンバランスさは滲み出していて。

いや、モノを作る人ならほとんどはそういうバランスの悪い部分があるのでしょう。

だから、たまたま出会ったタイミングだったのかもしれません。

まだティーンエージャーで世界の前で足をすくませていたからこそ、大人で社会的に成功しているように見えた彼女のなかにある震えを敏感に感じ取れたのかもしれません。

 

この本では一章を割いて彼女と演劇との関わりについて書かれています。

本来は内向的で、自分の書きたいものをただ書き続けていたかったであろう彼女は、演劇の世界で暮らすことで、金銭的にも精神的にもダメージを受けていて。

それでも30本近い作品を演出して必ずしも居心地がいいだけではない演劇の世界にとどまり続けた。

小説を書くだけではなく、たくさんのものを失っても演劇の世界でも生きようとした、そこは自分とってもなんとなく共感するところでもあります。

傷つくことがわかっていても、猥雑で薄汚れた、だからこそキラキラした世界に惹かれてしまう。

演劇の世界との関わりは、そんな彼女の生きる姿そのものだったのかもしれない。

 

ちょうど一年ほど前にも、栗本薫さんについてブログに書いてた。

20minute.hatenablog.com

彼女の根本は「物語る人」

自分が面白いと思う物語をただ語り続ける。

だけど、ただ語るだけでは足りなかったんだろうなあ。

物語が世界と溶け合う。

小説だけではなく評論を書いたり演劇をやったり楽器を演奏したり。

自分の物語が現実の世界を生きること。

それが彼女の見たかった世界なのかもしれないな。

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当初の目的を見失う

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水中ドローンの講習会を受けてきました。
水中ドローンは、リモコンで水中を動かせる小型の無人艇です。

 

それはそれとして…

 

触ってみてとても面白くて、とはいえ趣味で買うには少しお高くて。

なんか仕事として運用できないかなあとリサーチしてました。

最近では水中ドローンもいろいろな仕様のものが出てきて調べていてもなかなかおもしろいのですが。

 

が、数時間後、なぜか普通の空中ドローンの免許取得についてものすごく調べてました。

よくあります。

当初の目的を見失って暴走することが。

 

自社のwebサイト作るにはどうするのが一番いいかを検討していたはずなのに、気がついたらwebデザイナー講座を受けようとしたり。

仕事でいく場所のアクセスとか情報を調べていたのに、なぜかその周辺の観光地を一週間くらいかけないと回れないくらいの範囲で調べてたり。

バカだな。

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買い物しようと街まで出かけて、財布は持っていたけどそのまま引き返した

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あるものを買おうと思った。
一番近いお店が新宿だったので出かけた。

電車を降りて駅ビルのエレベーターに乗った。

平日の昼間だけど駅ビルは賑やかで、着飾った人たちで溢れかえっていた。

不意に、なにか自分がここにいてはいけない感覚におそわれた。

エレベーターを降りたけどとてもそのまま買い物を続けられる状態じゃなかった。

そのままもう一度エレベーターに乗った。

駅前のロータリーに出てみた。

たくさんのひとが歩いているのだけど、全員がぼくに悪意を持っているような気がした。

ほうほうの体でバスに飛び込んだ。

もう電車に乗れる気もしなかったから。

 

翌日、同じチェーンのお店がある錦糸町に出かけた。

駅の構内にはたくさんのひとが歩いていたけど大丈夫だった。

駅ビルのフロアは天井が高く、空間も広くて、なんか快適だった。

特に何ということもなく普通の買い物を済ませた。

多分、田舎者だから新宿という街はストレスなんだろう。

劇場にいくんだったら全然平気なんだけどな。

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